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中絶の麻酔

中絶の麻酔とは

麻酔にはいくつかの要素があり、中でも中絶の手術で必要な麻酔の要素は「鎮痛」と「鎮静/催眠」です。一般の方には??な話ですが、「鎮痛」とは痛みをとることで、「鎮静/催眠」とは意識のレベルを下げること、極端に言えば眠らせることです。(厳密には少し違いますがわかりやすくするためにそう表記します)
ここで言いたいのは

「鎮静/催眠」つまり眠ること = 痛みがない ということではない

産婦人科医は麻酔が苦手な医師も多いため、この区別がわからない人がけっこういます。「鎮静/催眠」だけひたすら行い、眠り薬を点滴や吸入器から体に入れると患者さんは寝るが、痛みがあるため動きが出てしまい手術がしにくい。そこで患者さんを動かなくするためにさらに「鎮静/催眠」を行い、過度な薬剤量が入ると患者さんの呼吸が止まってしまったり、多量の薬剤の影響で術後過度のふらつきや吐き気がでてしまったりといったことがおこります。また、激痛なので伝えたいけど麻酔の影響で伝えれないけど伝えられず、動くこともできずに激痛で手術が進むということも起こりえます。

そこで重要なのが「鎮痛」です。「鎮痛」と「鎮静」を適度に組み合わせることにより痛みをとり、かつ麻酔による吐き気やふらつきなどの副作用を最低限にとどめることが麻酔です。鎮痛が適切であれば鎮静は不要で処置から退院まで1時間程度で帰宅可能です。
「鎮静/催眠」のみを行い、無痛を広告しているクリニックが散見されますが、誤った表記です。眠らせて動けなくしているだけで、麻酔とは呼べないと思います。

鎮痛とは

鎮痛とは痛みをとることなのですが、具体的には答えはまず、よく市販の薬などでロキソニンやイブなどの痛み止めを薬局で販売していますが、そういった薬剤を使用することと、傍子宮頚管ブロックを行うことです。ガイドラインにも傍子宮頚管ブロックの推奨が明記されており、それを組み合わせることが重要です。

傍子宮頚管ブロックとは

子宮には神経があり、その神経が集束している場所があるため、その場所に10cmほどの長い針を使って膣から局所麻酔薬を注入する方法です。神経がブロックされるため、痛みの間隔が遮断され、全身には薬が入らないため吐き気やふらつきなどの副作用が出ません。ただし、場所が違うと痛みがとれず、血管や腸管などの臓器損傷のリスクも起きうるため難易度がとても高く、できる産婦人科医は限られます。
点滴から眠り薬だけ流して眠らせるだけの方が医師は圧倒的に楽なのですが、患者さんは「鎮痛/催眠」の副作用で苦しむことになるため適切な鎮痛が必要となります。

中絶ケアガイドライン2022 エグゼクティブサマリーの疼痛管理より

当院の麻酔のとりくみ

患者さんに意識がないからといって静脈麻酔などだけで「鎮静/催眠」だけの麻酔で「無痛の手術です」と表現することはしません。「鎮静」をガイドラインに基づき行い、手術中眠りたい人には「「鎮静/催眠」を組み合わせて適切な麻酔を行います。それによって当院では実現可能な範囲の除痛を行います。鎮痛が適切であれば鎮静は不要で処置から退院まで1時間程度で帰宅可能です。鎮静薬をいれればどうしても処置から退院まで3時間以上かかる場合もあります。
実際、手術中は痛みがなくても処置後は子宮の収縮などにより多少の痛みは出ますので「無痛」で処置から退院までするということはあり得ませんので「無痛」という表記には十分注意してもらい、その表現に過度の期待を持たないようにしてください。

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