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当院の経腟分娩成功率 2023年上半期 

[2022.11.01]

2023年1月から7月までの当院における経腟分娩率(当院で行ったすべての分娩に対し経腟分娩ができた人の割合)の集計が終了しました。上半期は経腟分娩率89.9%でした。

令和2年度、全国の病院と呼ばれる20部屋以上ある施設では経腟分娩率72.6%、20部屋未満のクリニックと呼ばれる施設では85.3%でした(厚生労働省発表)ので、全国的に見ても当院の経腟分娩率はかなり優秀な成績でした。当院では帝王切開既往のある人の経腟分娩(TOLAC)や逆子の経腟分娩も取り扱う施設で難易度が高い患者さんが時々いるため、それをいれての89.9%という数字は正しく経腟分娩でいけるか、帝王切開にすべきかを判断できたのではないかと自信になる結果だったと思います。

10.1%の当院で帝王切開で分娩となった人の帝王切開になった理由ですが、半数以上が1回目の分娩で分娩が進行しなかったため、今回は初めから帝王切開という全国のどの施設でも予定帝王切開によるものでした。当院の一つの特徴でもあるTOLAC(帝王切開既往にある人の経腟分娩)が上半期は全ての患者さんで帝王切開になることなく経腟分娩が成功し、骨盤位分娩(逆子の経腟分娩)も85%が帝王切開になることなく経腟分娩が成功という結果でした。

実際、帝王切開になるかどうかは医師の裁量が非常に大きく、施設間で帝王切開率はかなり違います。普通の経腟分娩でも20%以上帝王切開になっている施設もありますが、成績の公表義務等は当然ありませんのでこのあたりの帝王切開の医者の閾値はかなりのブラックボックスになっていると思われます。おそらく帝王切開率の閾値の低い病院は自施設の帝王切開率すら評価していないでしょう。なかなか分娩が進行せず帝王切開になるケースは当然ありますし、帝王切開率が高いことは患者さんの背景もあるため一概に悪いとは言えませんが、せめて適切に判断できているか数字上で検討することは「帝王切開をする権限」を持つ医師としては誠実に患者さんの状態を判断するために必要と考えます。

なぜ帝王切開の閾値が低い人がいるかというと「分娩が進行しないと深夜に緊急で帝王切開になる・・であれば怪しい人は夕方のうちに切ろう」や「休日になって緊急で帝王切開になるのは・・」など医師の都合による理由やひどいケースでは帝王切開の方が実際クリニックに多くの金銭が入るという側面もあります。

近年になって、その施設が帝王切開率が適切かどうかを判断する指標の一つとしてRobson分類という分類分けでの成績が重要視されるようになってきました。自然に陣痛がスタートした初産の人が1群、誘発などで人工的に陣痛がスタートした人が2群、自然に陣痛がスタートした分娩既往のある人が3群・・のように患者さんの分娩背景で各群の成績を評価するという方法です。その方法でも当院の経腟分娩率は非常に高かったので、そのうちHPなどにも掲載しようかとは考えています。

患者さんは医師を信頼するしかありません。「帝王切開をする権限」を持つ医師だからこそ、その信頼を裏切ってはならない。お母さんと赤ちゃんが安全に分娩が終わってかつ経腟分娩でいけるようにギリギリのところを判断する臨床力は今後もこだわっていきたいです。

岐阜市、各務原市、関市、美濃市、郡上市、可児市、一宮市等々の産婦人科が数多くある中、非常に広域から当院を選んでいただき感謝しています。里帰り分娩等随時受け付けておりますので、不明な点あれば気軽に受診してください。また、最近他院通院中の方でTOLACや逆子の分娩などの問い合わせが増えていますが、そちらも気軽に当院HPの「妊娠している人」の予約枠から予約して医師にご相談ください。相談だけであれば紹介状等も不要です。

今回はめずらしく余談のない、少し熱の入った投稿でした。

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