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鉗子分娩の実技講習会に行ってきました

[2023.03.25]

最近、勉強会や実技講習会で忙しくさぼっていたので久しぶりの更新となります。

分娩の最中に赤ちゃんがすごい苦しい、もしくは疲労などで分娩が進行しないなどの時に赤ちゃんを膣から引っ張りだして分娩を行う方法を急速墜娩といいます。方法は2種類で吸引分娩といって赤ちゃんの頭に吸引カップをつけてカップの吸引圧で赤ちゃんを引っ張る方法と鉗子分娩といって赤ちゃんの頭にマジックハンドのような鉄の器具を取り付けて引っ張る方法の2種類です。ともに良し悪しがあり、吸引分娩は頭にしか負担がかからないため、眼球損傷などのリスクがないですがその一方、引っ張る力は弱いため何回も引っ張ってようやく娩出できたり、時には結局娩出できずにさらに状態を悪化させて緊急帝王切開になりことがあります。帽状腱膜下血腫といって吸引カップの場所にそれなりの圧が加わるため頭蓋内で出血を起こすことがあります。その反面、鉗子分娩は引っ張る力が強いため鉗子がうまく装着できればまずほぼ間違いなく1回の牽引で娩出できます。鉗子がかからなければ娩出が困難とのことで赤ちゃんに負担をかける前に帝王切開への判断ができます。しかし、かかる位置が浅かったりすると眼球損傷のリスクがあるため鉗子の装着にやや技術が必要となります。

どちらが優れている方法というわけではなく、吸引には吸引のよさがあり、鉗子には鉗子のよさがあります。しかし、この鉗子分娩は日本ではできる人がそこまでおらず実際吸引分娩しかできないという産婦人科医も多いのが実情です。

当院ではもともと鉗子分娩をそれなりに行ってきましたが、今回名古屋市立大学にて東京大学の先生から実技講習をうける機会をいただけましたので知識のブラッシュアップも含め参加してきました。色々と意見交換や実際のコツを体験でき、今後の臨床に非常に役立つ2時間でした。

急速墜娩になることはいつ何時でもあります。ここの判断や方法を誤れば赤ちゃんに麻痺が残ってしまうことだってあるため、常に技術と知識を磨いて安全な分娩を今後も提供できればと改めて考えさせられました。

現在、岐阜市、各務原市、関市、羽島市、岐南町、美濃市、富加町など様々な場所から分娩予約いただいており感謝です。里帰り分娩・出産も随時受け付けていますので気軽にご相談ください。当院は岐阜市、各務原市、関市の合流地点にありどこからもこれなくはないが、当院より近い産婦人科はあるという立地の決して良くない場所にあります。それでもわざわざ当院を選んでいただけることにスタッフ一同いつも感謝しているとともに、選んでいただいた期待に応えるべくスタッフ一同今後も研鑽を怠らぬよう努力しますので安心して受診してください。

 

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