人工妊娠中絶ガイド
~中絶の正しい知識とクリニック選び~
望まない妊娠でクリニックを選ぶ際、多くの人はネットの情報を参考にします。その情報はほとんどがクリニックのホームページ(HP)によるものです。HPは患者さんへの情報提供とともに患者さんの集客という広告の役割を果たします。クリニック側も患者さんが求めるポイントをわかっているため、「無痛・安全・低価格・・」等をしっかりとアピールします。その方法が正しければよいのですが、HPの情報はそのクリニックの医師ができる範囲の話がさも正しいように記載されており、そのクリニックではできない方法はいかにも医学的に間違っているかのように書かれています。また、HPで推奨されている方法が実は間違っており、クリニックにとって都合の悪い情報は触れられてもいないこともあります。クリニックのHPの内容はそのクリニックに都合がよい方法がそれらしく書いてあるのです。そうすると患者さんは何を信じてクリニックを選べばよいかわかりません。
あまり一般には知られていませんが、中絶に関しては世界的なガイドラインがあります。今回作成した中絶完全ガイドは世界的なガイドラインに即した内容をベースにクリニックのよくある裏事情なども含め一般の人にもわかりやすく解説したものになります。一人でも多くの女性が安全に正しい中絶をすることができる助けになることを目的に作成しましたので、是非ご一読下さい。
中絶クリニック選び
~インタビュー編~
- 中絶のクリニックを選ぶときどのクリニックがよいでしょうか?
吸引法で子宮に優しい、眠っているうちに終わる、安心無痛手術ってクリニックがあったのですがそういうところはどうですか? - そもそも中絶の方法は手術と経口中絶薬の2種類あります。
手術の吸引法も電動法と手動法(MVA法)があり、できればMVA法がよいのですが、MVA法でしたか?吸引法とだけの場合、電動吸引法のことが多いです。ちなみに経口中絶薬のことは何か書いてありましたか? - 吸引法とだけだったので電動法っぽいですね・・経口中絶薬の記載は私の見た数件のクリニックのHPでは何も記載がなかったり、記載があったクリニックも、「意識のある状態で痛みや出血が起こる」や「排出されないことがあり結局手術が必要となるかも」と書いてあって・・であれば、手術の方がいいのかなぁって
- おかしいですね。経口中絶薬は世界的に安全に行われているスタンダードな方法で、過度に怖がることはありません。
当然排出されるときには出血はありますが、そこまでひどい痛みが出る人は少数です。手術も術後は子宮の収縮痛などあり痛みに関して手術が優れているということはありません。9割以上の人が手術をすることなく、中絶を完了できるというメリットはとても大きいです。経口中絶薬には手術を上回るメリットも数多くあるはずなのですが・・ - ではなぜ手術ばかり掲載しているクリニックもあるのですか?
- 経口中絶薬はできる施設とできない施設があります。
HPで中絶を説明しているということは情報提供以外にHPで中絶の広告をしているという側面もあります。せっかく来た患者さんが経口中絶薬を希望されたら、できない施設ではできる施設に紹介となりクリニックに利益はないため、あえて手術にもっていこうとするクリニックもあります。また、経口中絶薬は薬の仕入れ値が5万以上するため、手術と比べると大きく収益が下がるのであえて手術を推奨するクリニックもあります。 - でも手術だと寝ている間に終わっているので怖くないですよね?
- 手術中は寝ていますが、起きたら麻酔は切れているため一切麻酔が何も入っていない状態ですから痛いですし、吐き気やふらつきも相当なものです。また、薬の量が足らないと結局動けないだけで痛みも伴うという可能性もありますので鎮痛の併用がポイントですね
- ??
- 意識はあるけど痛みはないという麻酔もあるのです。術後すぐに帰れて吐き気やふらつきも少ないです。怖い人はそれに眠り薬を副作用が出ない範囲で少しだけいれてあげればいいんです。詳細は中絶完全ガイドの麻酔の項目を読んでみてね。
- 色々な方法や麻酔があるんですね。
つまりクリニックのHPの内容はクリニックの都合のよいように書いてあるということですね? - 色々なクリニックがあるということです。
クリニックも慈善事業ではないため、患者さんがきてくれないとつぶれてしまいます。そしてクリニック側も患者さんが求めるポイントをわかっているため、「無痛・安全・低価格・・」それをしっかりとアピールします。
しかし、その方法がガイドラインなどに基づき安全で最新の治療なのかは話がかわってきます。そういった慎重な視点ももつとクリニック選びが見えてくるかもしれませんね。 - そんな話をきくと何を信じてよいのか逆にわからなくなってしまいます。
どうすれば一般の人は安全な方法を選択できるのですか? - インターネットで「安全な中絶」と調べると中絶のガイドラインの日本語バージョンが読めます。ただし、医学的な用語が多く量も多いため、それをわかりやすくかつ麻酔やクリニックのよくある事情まで踏襲して作成したのが今回の中絶完全ガイドです。是非読んで参考にしてもらえると作った甲斐があります。
- 自分の体の話なのでしっかりと正しい情報を理解した上でクリニックを選べるといいですよね。是非参考にします。